【2月1日 AFP】「人食い山」の異名を持つパキスタン北部にある世界最高峰クラスの高山、ナンガパルバット(Nanga Parbat、標高8125メートル)で遭難し、夜間での困難な救助活動により救出されたフランス人登山家のエリザベート・レボル(Elisabeth Revol)さんが先月30日、無事に帰国した。

 レボルさんは1月27日から翌28日にかけて、捜索活動を行っていたポーランド人の精鋭たちによる登山隊によって救出された。

 ただ、登山隊は同じく遭難したポーランド人登山家のトマシュ・マツキェビッチ(Tomek Mackiewicz)さんの元にはたどり着くことはできず、断腸の思いでマツキェビッチさんを後に残す決断をしたという。

 出国時にパキスタン山岳会(Alpine Club of Pakistan)と共有したメッセージで、レボルさんは「さようならパキスタン。ナンガパルバットではないが、またパキスタンの山を登りにやって来る」と述べた。

 レボルさんは30日にいったんスイスに飛び、そこから国境を越えてフランス東部オートサボア(Haute-Savoie)県の病院に搬送された。医師らが手および脚に負った凍傷を診察し、切断が必要かどうか判断するという。

 世界第9位の高さを誇り、1953年に初登頂がなされたナンガパルバットでは、登頂に挑んだ登山家30人以上が死亡し、「人食い山」との異名を取っていた。(c)AFP