【2月2日 東方新報】最近、中国国内でアニメや子ども向けを装った「エルサゲート」と呼ばれる動画が問題になっている。『アナと雪の女王(Frozen)』のエルサや、ミッキーマウス、スパイダーマンなど、子どもたちが好きなキャラクターを使って暴力、恐怖、虐待、性的な描写をさせる動画のことだ。

 全国「掃黄打非(ポルノ・違法情報取り締まり)」弁公室は22日、「児童向けに偽装された不良動画の監視と取り締まりを徹底的に展開している。該当する動画サイトには自主管理と動画の削除を求めている。不履行が見つかった場合には動画サイトを運営する企業の責任を追及し、厳罰処分とする」との声明を発表した。

 報道によると、「エルサゲート」は海外の動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」で昨年から問題になっており、YouTubeはこれまでに15万本の動画を削除したという。

 海外から中国国内へ流入した「エルサゲート」が、翻訳されるなどして「本土化」して広まった。動画には「教育」や「児童」などのタグが付けられていたという。

 心理学を専門とする、北京教育学院(Beijing Institute of Education)の鐘珩(Zhong Heng)教学研究員は、「このような性的描写を含む動画は、子どもたちの性に対する健全な理解や異性との関係の健全な発展に悪影響をもたらす。また、暴力的な描写は、子どもたちに悪い見本として記憶され、問題を解決しようとする際に、暴力的な方法を選択してしまう可能性がある」と懸念している。

 首都師範大学(Capital Normal University)の李昕(Li Xin)教授は、「エルサゲートのような動画を制作すること自体が違法であり、公安部門やインターネット監督・管理部門が取り締まらなければならない対象だが、証拠を押さえるのが困難なのが実情だ。動画を制作した企業は場合によっては刑事責任を問われる。きちんと管理を行わなかった動画サイトに対しても処罰を下すべきだ」と話した。(c)東方新報/AFPBB News