【2月1日 AFP】(更新、写真追加)ミャンマーの最大都市ヤンゴンで1日、湖畔にあるアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)国家顧問の邸宅に火炎瓶1本が投げ込まれる事件が起きた。当時、スー・チー氏は不在だった。政府報道官が明らかにした。

 ミャンマー政府のザウ・ハティ(Zaw Htay)報道官はAFPの取材に対し、投げ込まれたのが「火炎瓶1本だった」と認めたが、詳細は明らかにしなかった。

 被害は軽微だったが、民主化のヒロインであるスー・チー氏を標的とした事件が起こるのは珍しく、軍事政権時代に同氏が長年にわたって自宅軟禁されていた邸宅への攻撃は大きな意味を持つ。

 事件当時、スー・チー氏は首都ネピドーに滞在し、自身が率いる国民民主連盟(NLD)による文民政権の発足2周年を祝う議会演説を控えていた。

 スー・チー氏に対しては、ミャンマー政府軍によるイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)への残虐な弾圧をめぐり、ロヒンギャ側に立った発言をしていないとして国際的な非難の声が強まっていた。

 昨年8月以降、ミャンマー政府軍の弾圧から難民キャンプに逃れたロヒンギャは約70万人に上り、同国西部ラカイン(Rakhine)州で殺人、レイプ、放火などが行われていたと証言している。

 しかし仏教徒が多数派を占めるミャンマー国内では、スー・チー氏は今も広くヒロインとしてみられている。(c)AFP