【2月1日 AFP】活発な火山活動が続いているフィリピン・アルバイ(Albay)州にあるマヨン(Mayon)山の火口の上に現われた、だいだい色の満月がゆっくりと欠けていく──噴火により避難を余儀なくされている住民は先月31日、人生に1度あるかないかの皆既月食と火山噴火の共演に感嘆の声を上げた。

 マヨン山はこの2週間、火口から噴煙や溶岩を噴出し続けており、これまでに約9万人が避難を余儀なくされている。だが避難所は狭く、衛生状態が悪い。31日夜の月は、空を見上げた避難住民らに畏怖の念を抱かせるとともに、ある種の娯楽と黙想の時を与えた。

 36年ぶりとなる今回の天体ショーは皆既月食と、月が地球に最も近づく「近地点」で満月を迎えることで通常より大きく見える「スーパームーン」、さらには1か月で2度目の満月「ブルームーン」が重なり、「スーパー・ブルー・ブラッドムーン(Super Blue Blood Moon)」と呼ばれた。

 リガオ(Ligao)やギノバタン(Guinobatan)の町の学校では1教室に最大80人が身を寄せているが、月が深紅色になると、大人も子どももいっせいに歓声を上げた。

 養豚業者のリチェル・トレド(Richel Toledo)さん(38)はAFPの取材に対し「この月を見ることができてとても幸せだが、不安も感じている、特に火山が噴火している今は」「今起きていることは何か神秘的なことなのかどうかは分からない」と語った。(c)AFP/Ayee Macaraig