「ただ泣き叫んでいた」 米体操女子の性的虐待事件、被害者は265人に
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【2月1日 AFP】米国体操連盟(USA Gymnastics)の元チームドクター、ラリー・ナサール(Larry Nassar)被告(54)が、治療と称して少女らを性的に虐待した罪で起訴された事件で、ミシガン州の裁判官は1月31日、被害者が265人に上っていると明らかにした。
ナサール被告の被害者のうち、少なくとも65人が今後行われる審理で同被告の20年に及ぶ性的虐待について証言する予定。
先週には、勤務していたミシガン州立大学(Michigan State University)で多数の少女らを性的に虐待した罪で同被告に40年から175年の禁錮刑が下された。同被告に対しては、児童ポルノ所持の罪でも禁錮60年が言い渡されている。
この事件をめぐっては、既に若い女性や少女ら150人超が自身の性的虐待の被害について証言し、米スポーツ界に大きな影響を及ぼしている。関係者の辞職や退職、新たな調査についての発表も急速なペースで進んでいる。さらに米体操連盟(USA Gymnastics)の理事会が31日付で総退陣する事態に発展した。
一方、米体操女子の五輪金メダリストのシモーネ・バイルス(Simone Biles)さんは、ナサール被告の性的虐待を明らかにした後も、米国オリンピック委員会(USOC)が救いの手を差し伸べなかったと批判。
バイルスさんは、当初は現実から目を背けていたが、虐待だったことに気付き精神的に打ちのめされたという。NBCニュース(NBC News)に対し、「ただ泣き叫んだのを覚えています」と語っている。
ナサール被告は司法取引により、新たに25年から40年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。(c)AFP/Jeff Kowalsky, with Nova SAFO in Chicago