【1月30日 AFP】英国統治下の香港(Hong Kong)で最後の総督を務めたクリス・パッテン(Chris Patten)氏は29日、テリーザ・メイ(Theresa May)英首相に対し、香港の政治状況について懸念を表明するよう要求する共同書簡を送った。メイ首相は今月末から訪中する予定。

 首相官邸に送付された共同書簡でパッテン氏は、香港が現在「基本的な自由と人権、そして自治に対する脅威の高まり」に直面していると訴えている。また元自由民主党党首のパディ・アッシュダウン(Paddy Ashdown)氏はメイ首相に対し、香港返還後50年間は資本主義制度と生活様式を変えないとした「中英共同声明(Sino-British Joint Declaration)」の継続的な正当性、さらには「一国二制度」の原則を強く主張するよう求めた。

 香港は1997年に中国に返還されて以来、一国二制度の原則に基づき半自治権を有する形で統治されているが、中国政府はここ最近、香港への影響力を強めている。

 習近平(Xi Jinping)国家主席ら中国要人との会談も予定されているメイ首相の今回の訪中では、自動車メーカーのジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover)や石油大手BPなど主要企業の経営幹部ら50人も同行する。

 メイ首相は訪中について「英中関係の『黄金時代』を強化することになるだろう。全ての議題においてわれわれが率直な議論をできるのは、2国間の関係の深さゆえだ」と述べている。(c)AFP