英国が新レーダー稼働へ、対ロシアの「深刻」な脅威に備え
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【1月28日 AFP】英国のギャビン・ウィリアムソン(Gavin Williamson)国防相は26日、スコットランド沖のシェトランド諸島(Shetland Islands)で建設中のレーダーについて、ロシアによる「深刻な現実」の脅威への対策に貢献するものとなるだろうと述べた。
シェトランド諸島には冷戦(Cold War)時代にも早期警戒レーダーが設置されていたが、その過去に回帰するかのような新レーダー設置の目的は、国籍不明の軍用機や民間機を英空軍が監視するためだという。
ウィリアムソン国防相によると、新たなレーダーは英国で有人島としては最北に位置するアンスト(Unst)島で建設が進められている。建設費は1000万ポンド(約15億4000万円)で、まもなく本格稼働する予定。稼働後は、これまで英空軍が対ロシア軍機のスクランブル(緊急発進)に使用してきた即時対応警戒システムに新レーダーからデータが送信される。
国防相は、15日にもロシア軍機2機が英国の航空管制当局の呼び掛けに応答せず、英軍機2機が監視のために緊急発進していると述べた。英空軍機によるスクランブル対応はこの5年間で69回に上るという。だが、このうちロシア軍機の関与が何回あったかについては言及しなかった。
英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)によると、ウィリアムソン国防相は25日、ロシアが英国に「全面的な混乱」を引き起こす計画を進めている可能性がありその関連で英国の基幹インフラに対する諜報(ちょうほう)活動を行っているとロシア政府を非難している。
昨年11月に就任したウィリアムソン国防相は、国防予算を増額するようフィリップ・ハモンド(Philip Hammond)財務相に強く求めているという。(c)AFP