【1月27日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は26日、シリアのクルド人民兵部隊に対する軍事行動の拡大も辞さない姿勢を示した。欧米の同盟諸国は懸念を表明し、トルコに抑制を求めている。

 トルコ軍は今月20日、テロ集団と見なしているシリアのクルド人組織「民主統一党(PYD)」傘下の民兵部隊「クルド人民防衛部隊(YPG)」をシリア北西部アフリン(Afrin)から排除する「オリーブの枝」作戦を開始。地上部隊と空爆・砲撃でシリア反体制勢力を支援している。

 同作戦の7日目となる26日、エルドアン大統領は首都アンカラで行った演説の中で、詳細には触れなかったが「わが国の国境にテロリストがいなくなるまで戦闘を継続する」と述べた。また軍事行動は「目標を達成する」まで続けるとし、「その後は、(アフリンの東方にある)マンビジ(Manbij)のテロリストを一掃する」と明言した。

 一方でエルドアン大統領とメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相は同日、トルコはアフリンを占領するつもりはないとし、同地域を「本当の」持ち主たちに返すつもりだと述べた。

 米国はトルコによる攻撃に懸念を表明している。マンビジには米軍が駐留していることから、専門家らはいずれも北大西洋条約機構(NATO)加盟国である米国とトルコの間で軍事衝突が起きる可能性を指摘している。(c)AFP/Fulya Ozerkan and Raziye Akkoc in Ankara