【1月26日 AFP】大きな窓ガラス越しに外では木の頂に積もった雪がきらめくなか、スイス・ダボス(Davos)で開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)の参加者らは、背広にネクタイ姿で着席し、瞑想(めいそう)の指導者ジャヤンティ・キルパラニ(Jayanti Kirpalani)氏の静かな声に耳を傾け、内面の安らぎへと導かれていく──。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が米大統領としての精神的適性に向けられた疑いをはねのけて臨んだダボス会議。朝の瞑想の参加者たちはストレスと働き過ぎにあらがうべく、精神的健康を養う日課に取り組んでいた。

 会議に参加しているフランス人の仏教僧、マチュー・リカール(Matthieu Ricard)氏は「10年前にはダボス会議で朝の瞑想を行うなど思いもよらなかった。だが今ではそれが流行となっている」と語る。

 ダボス会議に出席する代表団の多くにとって、この会議が掲げている「世界情勢の改善」という使命は、繁栄や正義を超えてまず健康から始まる。近年では心の健康の問題が、ダボス会議のパネルディスカッションの主題として取り上げられるケースも増えている。

 インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相が率いる代表団には、ヨガの導師2人が含まれている。23日に演説したモディ首相は、ヨガとインドの伝統医学「アーユルベーダ」が「身体的、精神的、霊的な健康とバランスをもたらしてくれる」と助言した。