新鋭チョンが全豪OPで大旋風、韓国で「テニスブーム」の兆し
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【1月26日 AFP】韓国選手として史上初の四大大会(グランドスラム)4強入りを決めたチョン・ヒョン(Hyeon Chung)。母国では快進撃を受けて新たなテニスファンが生まれているが、真の「テニスブーム」を巻き起こすためには、ここでその足を止めるわけにはいかない。
眼鏡がトレードマークの21歳が、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)男子シングルス準々決勝で無名のテニス・サングレン(Tennys Sandgren、米国)を倒すと、韓国ではテニス用品の売り上げが2倍になった。
野球やゴルフが高い人気を誇る韓国では、道具をそろえる費用やコート不足を理由にテニスを始める人が少なく、競技としては後れを取っている。しかし、チョンが勝利した準々決勝の試合は高視聴率を記録し、メディアも同国におけるテニスの歴史を「書き換えている」と彼を称賛した。
ネット上では「街で話題になっているからテニスの試合を生まれて初めて見たけど、こんなに楽しいスポーツだなんて知らなかった」との声も聞こえるなか、韓国のインターネット通販サイトGmarketでは、ラケットやバッグ、ウエアの売り上げが、チョンの試合後24時間で前年比96パーセントの数字を残したという。
漢陽大学(Hanyang University)でスポーツマーケティングを担当する教授は、チョンの活躍について「国民は、母国の伏兵が世界トップの選手を倒していく姿を誇りに思っている。ただそれだけのことだ」と話す。
韓国のスポーツ界では、先駆者の登場からそのスポーツで大きな成功を収めることが多かった。ゴルフは1998年にLPGAツアーで優勝したパク・セリ(Se Ri Pak)さんの活躍をきっかけに火が付き、現在の女子世界ランキングは上位6人のうち4人が韓国選手と圧倒的な力を誇っている。
さらに、フィギュアスケートでも10代で台頭した金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ)さんが2010年のバンクーバー冬季五輪で金メダルを獲得したのを皮切りに、多くの子どもたちがスケートを始め、氷上を滑るようになった。