両足義足の登山家、エベレストの夢砕く新法に反対 ネパール
このニュースをシェア
【1月24日 AFP】英軍のネパール人傭兵、「グルカ(Gurkha)兵」としてアフガニスタンで両足を失った男性が、両足切断者のエベレスト(Mount Everest)登山を禁じた新法に強く反対していることを23日、AFPとのインタビューで明らかにした。
ハリ・ブッダ・マガル(Hari Budha Magar)さん(38)は両足の膝から下を切断した初のエベレスト登山家を目指しトレーニングを続けてきた。しかしその夢は昨年12月に施行された新しい法律によって砕かれてしまったという。
この新法では、両足切断者と視覚障害者が世界最高峰のエベレストに登山することを禁じており、世界各国の障害者関連団体から批判が噴出している。
マガルさんは新法は「不公平で差別的」だと批判し、「政府がリスクを最小限にとどめるための規制を導入する必要性は理解するが、こうした禁止は答えにならない」と述べた。
マガルさんは2010年に英軍の傭兵のグルカ兵としてアフガニスタンで従軍していた際、手製爆弾に当たり両足を失った。以来、義足を使って歩く練習を行ってきた。
マガルさんは特別にデザインされた登山用スパイクを装着した短めの義足を使っており、これまでにネパールのメラピーク(Mera Peak)やアルプス(Alps)最高峰モンブラン(Mont Blanc)の登頂に成功している。
3人の子どもの父親で、どんな天気のときでもチタニウム製の義足が見える短パン姿のマガルさんは、ネパール中部の山岳地帯でトレーニング遠征をしていた際にこの禁止令の知らせを受け取ったという。(c)AFP/ Paavan MATHEMA