【1月24日 AFP】カナダ当局は23日、絶滅危惧種であるタイセイヨウセミクジラが漁網に絡まるなどの事故を防ぐため、セントローレンス湾(Gulf of Saint Lawrence)でのズワイガニ漁を制限する意向を明らかにした。

 2017年6月以降、漁船が頻繁に行き来する航路上では12頭のタイセイヨウセミクジラの死骸が見つかっているが、死骸を解剖した結果、漁船と衝突した際の出血や溺死、漁網に絡まって餓死していたことが明らかになった。

 この地域にはタイセイヨウセミクジラの最後の生き残り458頭のうち約4分の1が生息している。タイセイヨウセミクジラは世界で最も絶滅の危機に瀕している種の一つ。

 ドミニク・ルブラン(Dominic Leblanc)漁業海洋相は記者団に対し、新たな対策として、水面に浮かぶ漁網の量の削減や漁具の紛失届の義務化などを「徹底的に」行うと述べた。

 カナダ政府は昨夏セントローレンス湾内で運航する船の速度を時速10ノット以下に制限した。ルブラン氏によると、過去5か月間で同湾内を行き来した約5000隻の船舶のうち、500隻以上がスピード違反で検挙されたが、罰金を科されたのはわずかだったという。(c)AFP