中央アフリカ、武装集団抗争の悪夢 数万人が避難
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【2月2日 AFP】「銃声が聞こえて、馬に乗った男たちがやって来た。1頭に2~3人ずつ、カラシニコフ銃やライフル、弓矢などを持って。そして誰彼なしに撃ち始めた」
チャールズ・トンベ(Charles Tombe)さん(52)が運営していた小さな診療所は、略奪に遭ったベコロミッソ(Bekoro Misso)村のすべての家と一緒に焼け落ちた。
トンベさんは中央アフリカ共和国北西部で起きた武装集団による暴力行為について、AFPが取材した数多くの目撃者の一人だ。彼をはじめ数千人の人々は、埃っぽい小さな町パウア(Paoua)に避難先を求めた。多数の生存者は、銃と山刀による襲撃という悪夢の体験談を語る。
敵対する2組の武装集団、「中央アフリカ解放国民運動(MNLC)」と「革命と正義(RJ)」が地域一帯の支配を争っている。彼らは昨年末までは縄張りと検問所を分け合っていた。
商人や旅行者、農民から通行料金を取る検問所は、彼らの重要な収入源だ。だが昨年11月にRJの幹部1人が殺害され、それから殺し合いの連鎖が始まった。
■標的にされる民間人
報復の応酬は瞬く間に、相手側との共謀を疑われた地元住民に広がった。数名の目撃者によると、より強力に武装しているMNLCは、チャドから来た遊牧民フラニ(Fulani)の騎馬戦闘員の支援を受けているという。
パウアから30キロにあるベドゥア(Bedoua)村出身のオートバイタクシードライバー、プリンス(Prince)さん(24)は、母親と弟が自分の目の前で殺されたと語った。「連中は、中に人がいた家さえ燃やしたのだ」
ラニッサ・ネオウマンゲ(Lanissa Ne Oumangue)さん(16)は、1月3日にパウアから50キロのベマル(Bemal)村がMNLCの暴漢に襲われた後、1歳の赤ん坊を抱いて逃げたと語った。彼女の夫は冷酷に射殺された。さらに赤ん坊は、武装した男らに地面に投げつけられ、殺された。