ムンクが描いた貴重な肖像画を公開、ゴッホ美術館
このニュースをシェア
【1月24日 AFP】オランダ・アムステルダム(Amsterdam)のゴッホ美術館(Van Gogh Museum)は23日、ビンセント・ファン・ゴッホ(Vincent van Gogh)と同時代の画家、エドバルト・ムンク(Edvard Munch)が描いた肖像画を公開した。オランダで展示されるムンク作の肖像画としては唯一のものだ。
同美術館のアクセル・リューガー(Axel Rueger)館長によれば、「Portrait of Felix Auerbach(フェリックス・アウアーバッハの肖像画)」と題された作品はムンクが1906年に制作したもので、個人のコレクションから購入した。買い取り額は明らかにされていない。
ムンクの死からちょうど74年経ったこの日、美術館に作品が掛けられるのを見守りながら、リューガー氏は「オランダのコレクションの中でムンクが描いた肖像画はこれだけです」とうれしそうに話した。
1906年、ムンクは著名なドイツの物理学者フェリックス・アウアーバッハ(Felix Auerbach)氏の肖像画制作の依頼を受けた。当時、アウアーバッハ氏はドイツ中心部にあるイエナ大学(University of Jena)で教授を務めていた。
鮮やかな赤色を背景に、手に葉巻を持ち一点をじっと見つめ、自信に満ちた様子のアウアーバッハ氏が描かれている。ゴッホ美術館のキュレーター、マイテ・ファン・ダイク(Maite van Dijk)氏によれば、20世紀初頭にムンクが描いた肖像画の中でも優れたものの一つとされる。
代表作「叫び(The Scream)」で知られるムンクは、ゴッホから多大なインスピレーションを受けた。1890年頃、ムンクはゴッホの作品を見ているが、同美術館によると2人が直接会った可能性は低い。(c)AFP