【1月23日 AFP】国連(UN)は22日、国連平和維持活動(PKO)部隊の隊員が攻撃されて死亡する事件が増加していることを受け、活動のあり方を見直し、武力の行使もためらうべきではないとする報告書を公表した。

 この報告書は、ハイチとコンゴ民主共和国で国連軍司令官を務めたブラジル人のカルロス・アルベルト・ドス・サントス・クルス(Carlos Alberto dos Santos Cruz)氏率いる専門家チームがまとめ、昨年12月にアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長に提出していたもの。

 報告書は「国連およびその部隊・警察が活動する加盟国は、新たな現実に適応する必要がある。もはや(PKO要員がかぶる)ブルーヘルメットや国連旗も『自動的』な防護とはならない」と指摘。「残念なことに、敵意を持つ武装勢力が理解するのは言語ではなく、武力以外にない。攻撃を阻止し、攻撃者を撃退するために国連は強力でなければならず、必要とあらば恐れずに武力を行使すべきだ」と提言した。

 2013年以降、PKO要員が犠牲となるケースは増加傾向にあり、暴力行為により195人が死亡。5年間の死者数としては過去最多だ。昨年1年間の死者数は56人で、1994年以降で最多となっている。

 こうした状況について報告書は「死者の数は正常または容認可能なリスクのレベルを超えている」「こうした傾向を覆すには何らかの変化が必要だ」と訴えている。(c)AFP