【1月22日 AFP】メキシコで昨年発生した殺人事件の件数が、11月末時点で過去最多の2万5339件だったことが分かった。メキシコ内務省が20日、発表した。

 同省によると、昨年12月に殺害された人は2219人に上った。

 政府は1997年に殺人事件の統計を開始し、これまでの最多件数は2011年の2万2409件だった。

 殺人事件の発生率は人口10万人当たり20.51件で、2万545人が殺害された2016年の16.8件から増加した。

 メキシコでは2006年12月に当時のフェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)大統領が麻薬カルテルを撲滅するため「麻薬戦争」を宣言したことに端を発して殺人や暴力が拡大したと批判されており、それ以来、麻薬密売に関連して約20万人が殺害されている。

 政府の統計では組織犯罪が関係した事件の件数を特定していないが、発生場所が麻薬組織の活動拠点である南部ゲレロ(Guerrero)州や東部ベラクルス(Veracruz)州などに集中していることから、大半を占めると専門家らは推測している。

 この問題に取り組むためメキシコ議会は先週、国内の治安維持のために軍の介入を認める法案を可決している。(c)AFP