国内唯一のがん治療装置が故障、2年経て待望の新装置 ウガンダ
このニュースをシェア
【1月21日 AFP】アフリカ大陸中東部のウガンダで約2年前に故障した国内唯一のがん治療用の放射線治療装置に代わる新しい装置が設置され、19日に記念式典が行われた。
首都カンパラのムラゴ病院(Mulago Hospital)は1995年以来、東アフリカにおけるがん治療の中心となっていたものの、2016年3月に放射線治療装置が故障していた。
今回新たに導入された装置はコバルト60を使用する種類で、病院内のコンクリートで遮蔽(しゃへい)された部屋に設置された。価格は81万5000ドル(約9000万円)で、IAEAとウガンダ政府が折半した。
ウガンダのルハカナ・ルガンダ(Ruhakana Rugunda)首相は、新装置は「腫瘍学で東アフリカの中核拠点になるという将来像の一翼を担う」ものだと語った。
国際原子力機関(IAEA)の天野之弥(Yukiya Amano)事務局長は式典で「アフリカの28か国にはがん治療装置がなく、患者は診断や治療を受けられない」と述べた。
ウガンダがん研究所(Uganda Cancer Institute)のジャクソン・オレム(Jackson Orem)所長がAFPに語ったところによると、同研究所に紹介されてくる患者は毎年約5000人で、その多くはがんが進行した段階にあるという。新装置は1日当たり最大で120人の治療を行う能力がある。(c)AFP