NASAが飛行士を突然交代、初のアフリカ系米国人ISSクルーは立ち消えに
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【1月21日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は18日、今年6月の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在クルーに選ばれていたアフリカ系米国人のジャネット・エプス(Jeanette Epps)飛行士(46)をクルーメンバーから外し、別のメンバーに交代したと発表した。突然の変更理由は明らかにしていない。
エプス飛行士は、今年6月にカザフスタンから打ち上げられるロシアの宇宙船「ソユーズ(Soyuz)」に搭乗し、ISS第56/57次長期滞在クルーのフライトエンジニアとしてISSに長期滞在することになっていた。長期滞在ミッションの1期間は通常約3か月。実現していれば、宇宙に長期滞在する初のアフリカ系米国人となるはずだった。
エプス飛行士の代替クルーには、別のミッションで飛行予定だったセリーナ・オナン・チャンセラー(Serena Aunon-Chancellor)飛行士が選ばれた。
NASAのブランディ・ディーン(Brandi Dean)広報担当は19日、AFPの取材に電子メールで回答。「飛行任務の決定にあたっては複数の要素を考慮している」としたうえで「今回の決定は個人的な事情によるものでNASAからの情報提供はない」と説明した。エプス飛行士は、すでにテキサス州ヒューストン(Houston)郊外のジョンソン宇宙センター(Johnson Space Center)の宇宙飛行士部隊に戻っており、宇宙飛行士室での業務に従事するという。今後もエプス飛行士がISSでのミッション候補となる可能性はあると、ディーン氏は付け加えた。
これまでISSに滞在したアフリカ系米国人の宇宙飛行士は6人いるが、いずれもスペースシャトルによるISS組立など短期ミッションのクルーだった。
エプス飛行士は米中央情報局(CIA)の元職員という肩書を持つ。(c)AFP