【1月19日 AFP】韓国で開幕する平昌冬季五輪への北朝鮮参加をめぐる最終承認で、北朝鮮と韓国の当局者が20日、スイスのローザンヌ(Lausanne)で国際オリンピック委員会(IOC)と協議を行う。

 韓国と北朝鮮は先週、平昌五輪に選手団を派遣することで合意。また17日には、開会式で両国が統一旗を掲げて一緒に入場することや、女子ホッケーの合同チームを結成することでも合意に至っている。

 北朝鮮の大会参加への意向は、五輪と五輪の創立者ピエール・ド・クーベルタン(Pierre de Coubertin)男爵のスポーツを通じて平和を構築するとした理念にとって、まれにみる好機会となった。トーマス・バッハ(Thomas Bach)IOC会長は、北朝鮮の参加について「五輪の精神からみて大きな前進だ」と述べている。

 だが専門家らは、平昌での大会が終わった後も、北朝鮮との緊張が和らいだ状態が継続することには疑いの目を向けている。

 五輪大会ではこれまで、どちらかというと外交的達成よりも外交的対立を見ることが多かった。1980年には米国とその同盟国や中国がモスクワ五輪をボイコットし、1984年には旧ソ連と東側諸国の大半がロサンゼルス五輪への参加を拒否した。1988年のソウル五輪には西側と東側の両諸国が参加したが、北朝鮮とその他少数の国は不参加だった。

 その一方で、五輪を通じて対立する国同士が歩み寄りを見せた例もある。1956年から1964年までの五輪大会では、当時分断されていた東西ドイツが選手団が合同で派遣しており、また2000年代のいくつかの五輪では、韓国と北朝鮮の選手団が統一旗を掲げ開閉会式で行進した。