反ムガベ急先鋒で知られた白人政治家ベネット氏、米ヘリ墜落事故で死亡
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【1月19日 AFP】アフリカ南部ジンバブエで37年間にわたって独裁政権を維持し昨年辞任したロバート・ムガベ(Robert Mugabe)前大統領の批判の急先鋒(せんぽう)として知られた野党政治家、ロイ・ベネット(Roy Bennett)氏(60)が17日、米ニューメキシコ州で起きたヘリコプター墜落事故で死亡した。地元当局が18日、発表した。
州警察当局によると、ヘリコプターに乗っていたベネット氏の妻ヘザー(Heather Bennett)さん(55)と他3人も死亡した。
墜落現場は人里離れた山岳地帯で、生存者1人が緊急通報したが、場所の特定に至る説明はできなかった。懸命の捜索の後、州北部の町ラトン(Raton)から東に約16キロ離れた放牧場で炎上するヘリの残骸が見つかった。
州警察の声明は、現場に出動した警察官から「ヘリの残骸は炎に包まれ、身元確認は困難」との報告があったとしつつ、犠牲者にベネット氏夫妻が含まれていることを確認したと述べている。
農家出身のベネット氏は、ムガベ政権の土地改革で不動産資産を押収された過去を持つ。最大野党・民主変革運動(MDC)のモーガン・ツァンギライ(Morgan Tsvangirai)議長の財務担当の側近として頭角を現し、白人として最も著名な反体制派の政治家となった。
2009年2月には連立政権の副農業相への就任が決まったが、就任直前、ムガベ政権の転覆計画に資金を拠出していたとの容疑で逮捕された。最終的に容疑は晴れたが、ムガベ氏はその後も2年間にわたりベネット氏の副農業相就任を認めなかった。
ツァンギライ氏とは後に決別し、近年は主に南アフリカを拠点としていた。(c)AFP