【1月19日 AFP】イタリアの警察当局は18日、同国を足掛かりに欧州の輸送産業に浸透を図っていた中国マフィアの構成員33人を一斉摘発したと発表した。

 この組織は陸路で欧州へ輸出しようとする中国企業を脅迫したり、暴力を行使したりして、物資の移動をコントロールしていた。活動範囲はイタリアから、仏パリ、スペインのマドリード、独ノイス(Neuss)にまで至っていた。拠点からは「ゆすり、高利貸し、違法ギャンブル施設、売春、ドラッグ取引」などで蓄えた資金が見つかった。

 伊日刊紙レプブリカ(La Repubblica)によると、摘発されたリーダーの男(57)は別名「黒い男」と呼ばれ、子分をはべらせて高級レストランで食事をするなど典型的なマフィアのボス同様に振る舞っていたという。一緒に逮捕された若い愛人の女の部屋からもたくさんの札束が見つかった。

 2011年から開始された捜査は「チャイナ・トラック」と呼ばれ、繊維産業の労働者を中心に巨大な中国コミュニティーがあるトスカーナ(Tuscany)州プラート(Prato)の警察が進めていた。容疑者らは中国東部沿岸の浙江(Zhejiang)省と福建(Fujian)省の出身者だという。(c)AFP