オーストリア極右内相、「国境防衛隊」創設命じる 移民流入対策
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【1月19日 AFP】オーストリアからの報道によると、反移民を掲げる極右・自由党(FPOe)所属のヘルベルト・キックル(Herbert Kickl)内相(49)は18日、移民の大規模流入が再び起こる場合に備えて「国境防衛隊」の創設を命じたと述べた。
自由党のイエルク・ハイダー(Joerg Haider)前党首のスピーチライターを以前務めていたキックル内相は、日刊紙チロラー・ターゲスツァイトゥング(Tiroler Tageszeitung)に対し「2015年を繰り返すようなことは、あってはならない」と主張。国境防衛隊創設の「狙いは、秩序だった国境管理を数時間以内に確保することだ」と述べた。
キックル氏の説明によれば、国境防衛隊は「警察の予備部隊で、必要に応じて国境検問所の治安を確保したり、身元確認を行ったりできる」という。
2015年に起こった欧州移民危機では、ピーク時には数十万人の移民がドイツなどを目指してオーストリアを通過した。国内でも記録的な数の難民認定申請が行われた。
自由党は、移民の流入に対する不安をあおり、昨年10月の総選挙で第3党に躍進。12月にはセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)首相率いる中道右派・国民党(OeVP)との連立政権の発足にこぎつけた。
自由党が前回政権入りした2000年には各所から非難の声が上がったが、今回は各地で反移民政党が台頭していることを受けてか、非難の声はかなり控えめとなっている。(c)AFP