「プーチンが終身皇帝に」 野党指導者が批判、単独インタビュー
このニュースをシェア
【1月18日 AFP】ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(41)がAFPの単独インタビューに応じ、自身が立候補を禁じられている3月の大統領選について、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)氏(65)が再選し「終身皇帝」となるためだけに行われるいんちきだと非難した。
プーチン氏の4選が確実視されている大統領選の投票日まで2か月あまりとなった16日、野党指導者で汚職撲滅運動を率いるナワリヌイ氏は自身の選挙事務所でAFPの取材に応じ、「これは選挙ではない、選挙と呼ばれているこの手続きが、実際はプーチンを再選させるためだけに行われるということを人びとに説明するのが私の役目だ」と語った。
ナワリヌイ氏は大統領選出馬を表明したものの、中央選挙管理委員会は昨年12月、同氏が横領罪で有罪判決を受けていることを理由に立候補を認めない判断を下した。ナワリヌイ氏は有罪判決自体が政治的理由に基づくでっち上げだと主張している。
ナワリヌイ氏は今後、選挙のボイコットを国民に呼びかける運動に注力する予定で、今月28日の大規模な抗議集会を呼び掛けている。「プーチンは終身皇帝になりたがっている。彼の側近も同じことを望んでいる」と述べるとともに、「政治的闘争」を続けていく意向を示した。
ナワリヌイ氏は近年、野党指導者として頭角をあらわす中で、以前のような国家主義的な主張をトーンダウンさせている。昨年はプーチン政権の汚職に抗議する大規模な抗議デモを呼び掛け、各地で多くの逮捕者が出た。また、インターネット上でドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)首相の隠し資産疑惑を告発する内容の動画を投稿し、2500万回も視聴された。
当局からの圧力が続いているにもかかわらず、ナワリヌイ氏は若者を中心に多くのボランティアを引き付けており、その数は20万人に上るという。プーチン氏は「私と私の支持者を恐れている」と指摘した上で、ボランティアらと共に各地で選挙のボイコットを訴え、選挙の不正を監視していくと強調している。
複数の世論調査によると、2014年にロシアがウクライナのクリミア(Crimea)半島を一方的に編入して以降、プーチン氏の支持率は80%超を推移している。同氏が再選し、2024年まで大統領職を務めるのは確実とみられ、旧ソ連の独裁者ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)以降で最も在任期間の長いロシア最高指導者になる見通しだ。(c)AFP/ Ekaterina ANISIMOVA, Marina LAPENKOVA, Germain MOYON