【1月18日 AFP】サウジアラビアは17日、イエメンからの財政支援の要請に応じ、同国中央銀行に20億ドル(約2200億円)を送金すると発表した。イスラム教シーア派(Shiite)反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」とイエメン政府の内戦が長引く中、同国通貨イエメン・リアルの急落を食い止めるための救済措置。

 イエメン政府は首都サヌア(Sanaa)や北部の広い範囲を支配下に置く「フーシ派(Huthi)」との内戦で困難にあり、サウジアラビアは約3年にわたり同政府に軍事支援を行ってきた。

 サウジアラビア内務省は「イランが支援する武装勢力、フーシ派(Huthi)の行動によってイエメン国民が直面している経済情勢の悪化に対処するため、サルマン・ビン・アブドルアジズ(Salman bin Abdulaziz)国王は、イエメンの中央銀行に20億ドルを送金するよう指示した」と発表した。

 同国通貨は1ドル当たり500イエメン・リアルで取引されており、内戦前の約215リヤルから大幅に下落。日常的な食料品の多くを輸入に頼るイエメンにとって、この変動は深刻な打撃となる。

 イエメンのアハマド・オバイド・ビンダグル(Ahmed Obaid bin Dagher)首相は、フェイスブック(Facebook)への投稿で、「イエメンを飢餓から救うため」、中央銀行に現金を振り込むよう政府の支援者らに求める書簡を公開した。

 イエメン国営サバ(Saba)通信によると、アブドラボ・マンスール・ハディ(Abedrabbo Mansour Hadi)大統領は16日、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子との電話で「イエメンが直面する経済的困難」を訴えた。

 世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアは、2014年の原油価格の急落が歳入を直撃して以来、4会計年度にわたり大幅な財政赤字を計上している。(c)AFP