【1月17日 AFP】ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)が隣国バングラデシュへの避難を余儀なくされている問題で、バングラデシュ軍は17日、ミャンマーとの国境近くの難民キャンプに暮らすロヒンギャの登録者数が100万人を突破したと発表した。両国はロヒンギャの帰還に向けて作業を進めているが、ロヒンギャ難民の数が当初推定されていた96万人より多かったことが明らかとなった。

 バングラデシュ軍は昨年、ミャンマー軍の掃討作戦から逃れるために大量のロヒンギャが流入してきたことを受け、生体認証を用いたロヒンギャ難民の登録作業を開始。登録は帰還作業の一環とされているが、一方でロヒンギャの多くは帰還を望んでいない現状もある。

 登録作業を率いるバングラデシュ軍のサイドゥル・ラーマン(Saidur Rahman)准将は「これまでに100万4742人のロヒンギャを登録した。登録者には生体認証カードが与えられている」と述べ、さらに未登録のロヒンギャも数千人いると明らかにした。

 国連(UN)は当初、バングラデシュ南東部に暮らすロヒンギャの数を96万2000人と推定していたが、軍による登録者数はこれを上回った。

 昨年8月25日、ミャンマー西部ラカイン(Rakhine)州でロヒンギャの武装組織が警察の検問所を襲撃したことで、ミャンマー軍は報復としてロヒンギャの掃討作戦を実施。以降、およそ65万5000人のロヒンギャがバングラデシュに避難している。国連の推計にもこの数字は含まれている。

 ロヒンギャ難民には何年にもわたってバングラデシュで暮らしている者もいるが、両国の帰還合意の対象は2016年10月以降にバングラデシュに入国したロヒンギャのみだという。(c)AFP