【1月17日 AFP】ドイツ・ベルリンで16日、ベルリン交通局(BVG)とドイツのスポーツ用品大手アディダス(Adidas)が共同開発した限定スニ―カーが発売された。地下鉄が1年間無料で利用できる「チケット」も付いたこのスニーカーを手に入れようと氷点下の中、大勢が徹夜で列をつくった。

 ベルリン地下鉄90周年を記念して作られた1足180ユーロ(約2万4000円)のスニーカーには、ベルリン地下鉄の座席カバーと同じ模様があしらわれている。さらに、通常761ユーロ(約10万3000円)する地下鉄の年間チケットが縫い付けられており、これが通勤客を引き付けるカギになっている。

 赤い大きな寝袋に入ったアンドレアス・ルー(Andreas Leu)さんは「土曜日にライプチヒ(Leipzig)から来たが、73番目だった」と話す。「一番面白いのはチケットと、たった500足しかないこと。コレクションとして保管するよ」

 一方で、BVGのこの風変わりなマーケティングに対する批判も上がっている。保守派の独日刊紙ウェルト(Die Welt)はスニーカーをめぐる騒ぎを「ばかばかしい」と一蹴。未使用の状態でコレクターの収集品として保管されればその価値は一層高まるため、通勤客が実際に使用することはほとんどないだろうと指摘した。

 スニーカー発売の午前10時(日本時間午後6時)からわずか数分で、何足かがオンライン上で売り出された。価格は元の約6倍の最大1150ユーロ(約15万6000円)にのぼった。(c)AFP