【1月17日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は16日、イエメンで内戦が激化した2015年3月以降に死傷した子どもが5000人余りに達したとの報告書を公表した。深刻な栄養失調に陥り命の危険にさらされている子どもも40万人に上っているとして、子どもの保護や支援ルートの確保など早急な対策を呼び掛けている。

 イエメンの首都サヌア(Sanaa)で発表された報告書によると、イエメン政府を支持するサウジアラビア主導の連合軍の介入によって紛争がエスカレートした2015年3月以降、イエメンでは1日平均5人の割合で子どもが死亡。

 学校に通っていない子どもも、全体の4分の1に当たる200万人近くに上っている。

 同月以降に国内で生まれた子どもは300万人以上といい、ユニセフは「長期にわたって暴力や強制的な移住、病気、貧困、栄養失調にさらされ、基本的なサービスも受けられず、傷つけられている」と警鐘を鳴らしている。

 ユニセフ・イエメン事務所のメリトセル・レラーノ(Meritxell Relano)代表は「イエメンでは一つの世代全体が暴力しか知らずに成長している」と訴えた。

 ユニセフによると、イエメンの子どものほぼ全員に当たる1100万人が人道支援を必要としている。(c)AFP