フィリピン・マヨン山の警戒レベルを引き上げ、数日内に噴火も
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【1月15日 AFP】(更新、写真追加)フィリピンで14日、同国の最も活発な火山であるマヨン(Mayon)山の噴火警戒レベルがレベル3に引き上げられた。数日内にも噴火する可能性があることを示している。
フィリピン火山地震研究所(Phivolcs)は声明で、マヨン山の山頂火口が明るくなっているのは溶岩が流れ出す前兆で、これまでに3回の水蒸気の噴出によって水蒸気と灰が交ざった噴煙が生じたという。
同研究所は「マヨン山の不安定さが比較的高い状態で噴火口までマグマが上昇し、噴火が数週間もしくは数日のうちに発生し得ることを意味している」と説明している。
フィリピンの災害当局が英字紙マニラ・ブレティン(Manila Bulletin)に語ったところによると、火山周辺地域に住む900世帯以上が学校などに一時避難した。
標高2460メートルのマヨン山は首都マニラの南東およそ330キロに位置する活火山で、噴火を繰り返してきた長い歴史を持つ。
専門家らによると、マヨン山の山頂付近では火山性地震と落石が続いているという。
マヨン山の周辺7キロには立ち入り禁止区域が設定され、住民1万2000人以上に対して避難命令が発令されている。大規模な土石流と有毒なガスを含む噴煙が発生する恐れがあるという。
地元の防災当局の幹部は、「数週間にわたって雨が続いているため、マヨン山の斜面にたまっている堆積物によりラハール(土石を交えた速い水の流れ)が発生する可能性もある」と指摘し、「雨がやまなければ危険な状況になる」と警戒を呼び掛けている。
最後にマヨン山の溶岩流出があったのは2014年で、この時は住民6万3000人が避難を余儀なくされた。
2013年5月には噴火当時マヨン山に登っていた外国人旅行者4人とガイド1人が死亡している。また1814年の噴火では溶岩がカグサワ(Cagsawa)の街を埋め尽くし、1200人以上が死亡したという記録が残されている。(c)AFP