【1月15日 AFP】欧州歴訪中の安倍晋三(Shinzo Abe)首相は14日、ブルガリアを訪問し、首都ソフィアでボイコ・ボリソフ(Boyko Borisov)首相と会談した。その中で安倍首相は、北朝鮮に対し欧州連合(EU)からの圧力の強化を要請するとともに、ブルガリアをはじめとするバルカン諸国との経済協力の推進を約束した。

 安倍首相は、「きょうの会談では、東アジアで悪化の一途をたどっている安全保障情勢について協議し、北朝鮮問題での緊密な協力の重要性で一致した」と述べた。

 安倍首相のソフィア訪問には、日本の経済界を代表して実業家30人以上が同行。首相は同域に対する日本の投資を促進する年次経済フォーラムの開催と、バルカン諸国との経済協力の拡大に合意した。

 一方ボリソフ首相は、投資と貿易の拡大を目指して昨年署名された日本とEU間の自由貿易協定の批准を加速させると約束した。

■リトアニアの杉原千畝記念館を視察

 また安倍首相は同日これに先立ち、リトアニア第2の都市カウナス(Kaunas)に足を運び、第2次世界大戦(World War II)時に同国の副領事を務めた故杉原千畝(Chiune Sugihara)氏の記念館を視察した。

 杉原氏は日本政府の方針に背き、ナチス・ドイツ(Nazi)の迫害を逃れてきたユダヤ人難民に日本の通過ビザを発給してリトアニアを出国させ、約6000人をホロコーストから救ったとされる。杉原氏がかつて勤務した2階建ての領事館が、現在記念館として利用されている。

 安倍首相は「杉原氏の勇気ある人道的行為は全世界から高く評価されている」と語り、「信念と情熱」をもって外交官を務めた杉原氏を「日本人として大変誇りに思う」とたたえた。(c)AFP