H&Mの黒人差別広告、南アで抗議デモ 一部店舗で略奪も
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【1月14日 AFP】黒人の少年をモデルに起用したスウェーデンのアパレル大手「へネス・アンド・マウリッツ(H&M)」の広告が人種差別的だと非難されている問題で、南アフリカでは13日、抗議する人々がヨハネスブルク(Johannesburg)および近郊のH&M店舗に押しかけ、一部では店舗を荒らしたり商品を略奪したりしたため警察が制圧に乗り出す事態となった。
問題となっているのはH&Mがウェブサイトに掲載した「COOLEST MONKEY IN THE JUNGLE(ジャングルで一番クールなサル)」とプリントされた緑色のパーカーを着た黒人少年モデルの写真。これにソーシャルメディアを通じて世界規模で怒りが広がった。
これを受けてH&Mはこの写真を削除したが、南アフリカでは野党「経済的解放の闘士(EFF)」の主導でヨハネスブルクおよび周辺の複数のH&M店舗をターゲットにした抗議デモが行われた。
南アフリカ警察は、ヨハネスブルク周辺の複数のH&M店舗で抗議デモがあり一部でデモ隊が店舗に侵入して略奪が発生したため警官隊が介入しゴム弾での制圧を余儀なくされたと、ツイッター(Twitter)で明らかにした。
動画には、一部の店舗でデモ隊が陳列された商品を手当たり次第に荒らしたり、ハンガーラックを壊したり、マネキンを倒したりする様子が捉えられている。
EFFのフロイド・シバンブ(Floyd Shivambu)氏はツイッターで「あの愚かな服屋(H&M)は今、自らの人種差別の報いを受けているのだ。理性ある人間なら誰でもH&Mに南アフリカ国内での営業を許すべきではないということに同意するだろう」と投稿し、H&Mに対する抗議行動を正当化した。
EFFは与党・アフリカ民族会議(ANC)を除名された元ANC青年同盟指導者が立ち上げた急進左派政党。
(c)AFP