チェコ大統領選、親ロシア派現職と親EU派の学識経験者が決選投票へ
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【1月14日 AFP】チェコで12、13の両日行われた大統領選の開票結果が13日発表され、現職で親ロシア派のミロシュ・ゼマン(Milos Zeman)氏(73)と、親欧州連合(EU)派で元チェコ科学アカデミー総裁のイジ・ドラホシュ(Jiri Drahos)氏(68)が決選投票に進むことが決まった。政策も性格も異なる2候補による決選投票は、今月26、27日に行われる予定。
チェコの統計当局によると、第1回投票でゼマン氏は全体の38.56%となる票を獲得して1位、イジ氏は26.60%を獲得して2位だった。公営のチェコ通信(CTK)によると第1回投票の投票率は61.88%で、前回2013年の大統領選と同水準だった。
チェコはEU加盟国だが、ゼマン氏はEUが加盟国に難民受け入れや各種規制を強制するのは各国の主権を制約するものだというハンガリーやポーランドなどの東欧のポピュリスト指導者と同様の姿勢を取っている。同氏は反イスラム的な考えでも知られ、2015年に移民危機は欧州への「組織的な侵略」であり、イスラム教徒の欧州社会への統合は不可能だと発言したこともある。
一方のドラホシュ氏は温厚な物腰のリベラル中道派だが「優柔不断」と批判されることもある。同氏はチェコが「EU内でもっと積極的な活動をすべき」と主張し、EU通貨ユーロの同国内での導入を支持している。
第1回投票の結果を受けてチェコの政治アナリスト、イジ・ペヘ(Jiri Pehe)氏はAFPに対し、脱落した他の候補者らは決選投票でドラホシュ氏支持に回るのが当然だと指摘し、「ゼマン大統領は決選投票で大きな問題に直面する」と述べた。公営のチェコ・テレビの最近の世論調査によると決選投票でゼマン氏に投票すると答えた人は44%、ドラホシュ氏に投票すると答えた人は48.5%となっている。(c)AFP/Jan MARCHAL and Jan FLEMR