患者の肝臓に「焼き印」医師に罰金刑と社会奉仕活動 英
このニュースをシェア
【1月13日 AFP】英国の裁判所は12日、臓器移植の手術中に患者2人の肝臓の表面に自分のイニシャルの「焼き印」を入れていたことを認めていた同国の外科医(53)に対し、1万ポンド(約150万円)の罰金と12か月(計120時間)の社会奉仕活動を科した。
サイモン・ブラムホール(Simon Bramhall)被告は、勤務していたイングランド中部バーミンガム(Birmingham)にあるクイーン・エリザベス病院(Queen Elizabeth Hospital)で2013年の2月と8月、手術中に麻酔をかけられている患者計2人の臓器にアルゴンビーム機器を照射して自分のイニシャルを刻んでいた。患者の肝臓の一つに同医師のイニシャルの焼き印が入っているのを同僚の医師が目撃していた。焼き印は4センチほどの大きさ。
バーミンガム刑事法院のポール・ファーラー(Paul Farrer)判事は被告に対し、「あなたがしたことは職権乱用で、あなたに身を委ねた患者たちの信頼への裏切りだ」と非難。「いずれの移植手術も長時間を要し、困難を伴うもので、疲労やストレスで判断力が鈍っていたのかもしれないが、これほどの職業的な傲慢(ごうまん)さから生じた行為は犯罪の域だ」と述べた。
2014年にクイーン・エリザベス病院を辞めたブラムホール医師は、昨年2月には英国の医療監督機関である英医事委員会(GMC)から警告を受けたが、現在はロンドン北郊のハートフォードシャー(Hertfordshire)にある英国民保健サービス(NHS)に勤務している。(c)AFP