【1月12日 AFP】容姿の良さと体のキレで選ばれる北朝鮮の女性応援団は、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)政権の危険な核開発の野望とは極めて対象的だ──。10代後半から20代前半の若い北朝鮮女性らからなる応援団は、韓国では「美女軍団」と呼ばれ、登場するたびに大きな注目を集めてきた。

 北朝鮮は今週、平昌冬季五輪への選手団派遣で合意した。これを受け、来月韓国で開幕する同大会への北朝鮮の女性応援団にも注目が集まっている。平昌大会への参加で「美女軍団」の韓国での登場は4回目となる。平昌は、朝鮮半島を二分する非武装地帯(DMZ)の南わずか80キロにある。

 金朝鮮労働党委員長の妻、李雪主(リ・ソルジュ、Ri Sol-Ju)夫人もこの応援団出身だ。2005年に仁川で開催されたアジア陸上競技選手権大会(Asian Athletics Championships)ではメンバーの一人として参加していた。

 北朝鮮問題世界研究所(World Institute for North Korea Studies)の代表で、自らも脱北者である安●一(An Chan-Il、●の漢字構成は火へんに山)氏は、応援団員の選択は、政権の厳しい基準により入念に行われると語る。AFPの取材に同氏は「彼女たちは身長163センチ以上で、良家の出身でなければならない」と述べ、「楽器を演奏する人は楽団の出身者で、その他はエリート校である金日成総合大学(Kim Il-Sung University)の学生が大半」であることを明らかにした。

 韓国で女性応援団が最初に登場したのは、 2002年に釜山で行われたアジア競技大会(Asian GamesAsiad)だった。「美女軍団」の登場はチケット販売の促進につながるため、大会への参加は平昌冬季五輪主催者にとっては良い知らせだ。