英女王御用達の下着ブランド、指定取り消しに 回顧録を問題視
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【1月12日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)に数十年にわたってランジェリーを提供していた英ランジェリーブランド「Rigby & Peller」の王室御用達の指定がこのほど取り消された。同社の前オーナーが女王のブラジャーの仮縫いについて自著で明らかにしたことが問題視されたという。関係者が11日明らかにした。
問題となったのは、現在も同社役員であるジューン・ケントン(June Kenton)氏(82)が昨年出した回顧録「Storm in a D-Cup」。ただケントン氏本人は、王室の怒りを買うような記述は「何もない」と困惑を隠せない様子だ。
英メディアの報道によると、本には1980年代に初めての女王のブラジャーの仮縫いに臨んだ時のことついて記されており、女王が半裸だったことも明らかにされている。また「クイーンマザー(Queen Mother)」としも知られる母親故エリザベス皇太后から聞いた個人的な逸話についても詳しく語られていた。
その他にも、故ダイアナ元英皇太子妃(Princess Diana)がブラジャーの仮縫いに来た時に、下着姿のモデルのポスターを10代だったウィリアム王子(Prince William)とヘンリー王子(Prince Harry)の目に触れないようはずしたことなどにも触れられている。
王室御用達協会の広報担当者は、「Rigby & Pellerの御用達指定が取り消しとなったことは確かだが、その理由についての詳細に話すことはできない」とAFPの取材に語った。また「指定はさまざまな理由でいつでも取り消され得る」とし、5年ごとに見直されていることも説明した。
王室御用達証は英王室への納入業者に与えられるもので、企業にとってはしばしば売り上げの大幅な拡大をもたらす。商品と名刺に公式の紋章を使用する権利を持つのは800社前後だ。
老舗高級百貨店ハロッズ(Harrods)は、2000年に指定を失っている。これを前に、ハロッズの所有者モハメド・アルファイド(Mohamed Al Fayed)氏は、1997年に起きたダイアナ妃との同氏の息子ドディ(Dodi)氏が死亡した自動車事故について、王室が黒幕だと非難していた。
ケントン氏は、6か月前に英王室から本について苦言を呈され、王室御用達の指定を取り消すと伝えられたことを明らかにした。そして「王室があの本に立腹したことをとても悲しく思う。私の人生で起きた優しい穏やかな話だから。王室を相手に争うことはできないし、そうしたいとも思わない」と述べた。(c)AFP