【1月12日 AFP】米小売り大手ウォルマート(WalMart)は11日、米国内の従業員の最低賃金を時給11ドル(約1200円)に引き上げるとともに、最高1000ドル(約11万円)のボーナスを支給すると発表した。一方、傘下の小売りチェーン「サムズ・クラブ(Sam's Club)」63店舗の閉店計画も同日、明らかになった。

 ウォルマートによると、現在9ドルの最低時給を2月から11ドルに引き上げ、最高1000ドルの一時金を支給する。また、産休・育休制度の拡充や、養子を引き取る従業員への資金援助も行う。

 米国内のウォルマートやサムズ・クラブ店舗の従業員のほか、インターネット通販をはじめ各部署で働く100万人以上が対象という。経営陣は、税制改革を受けて法人税が35%から21%に引き下げられたことで、従業員の福利厚生を拡充する余地が生まれたと説明している。

 米国ではここ数週間でアメリカン航空(American Airlines)や通信大手AT&T、大手銀ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)なども相次いで昇給やボーナス支給を発表している。

 ウォルマートの最低賃金引き上げのニュースは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の長女イヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump)大統領補佐官がツイッター(Twitter)への投稿で言及したほか、スティーブン・ムニューシン(Steven Mnuchin)財務長官がホワイトハウス(White House)の会議で報告するなど話題を呼んだ。

 しかし同日、ディスカウント商品を販売する傘下の会員制卸売りスーパー、サムズ・クラブの閉店計画が報じられ、水を差した。ウォルマートの報道発表によれば、同社では閉鎖した店舗のうち最大12店舗を通販向け倉庫に転用する方針だという。(c)AFP/John BIERS