【1月21日 AFP】エレガントに仕立てられた服は、イタリアのファッショニスタのためだけのものではない。ミラノでは今、犬のための高級服が一部の飼い主の間で流行している。

 飼い主とおそろいにもできる犬のファッションを手掛けるのは、デザイナーのジョバンナ・テメリーニ(Giovanna Temellini)氏(57)。人間の親友とも言える犬がカシミヤのセーターやウールのコートを着てもいいはずだと話す。

「すべては(犬への)愛情からです」と、ボッテガ・ヴェネタ(Bottega Veneta)やアルマーニ(Armani)といったブランドも含め、ファッション界で25年のキャリアを持つテメリーニ氏は言う。彼女は動物愛護団体の支援もしている。

 テメリーニ氏が犬のオートクチュールの制作を始めたきかっけは、1年ほど前、自身の動物保護活動について娘から言われたひと言だ。「お母さんは犬のために細かなことまでたくさんしている。でも、雨の日には私の犬も耳が濡れちゃうの」

 翌日の午後には自らのデザインチームと共に、娘の犬のためにフード付きのコート作りに取り掛かった。デザインは娘のジャケットとおそろいだ。

 これを機にテメリーニ氏は犬のためのオートクチュールブランド「Dog A Porter」を設立。今月には同ブランドを扱う初の店舗がオープンした。

 テメリーニ氏は、障害のある犬も含めすべての犬に合った服を作りたいと言う。動きやすくて走ることができ、汚れてもいいなど「犬が求めることすべてを尊重し、かなえたい」と意気込みを語る。

「犬を抑制したり、ばかにしたりすることはしません。そんなことをすれば犬たちにも分かりますから」

(c)AFP/Céline CORNU