【1月9日 AFP】中国を公式訪問しているエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に友好の証しとして馬1頭を寄贈した。

 贈られたのは仏大統領府騎馬隊を引退した馬「べズーブ・ド・ブレッカ(Vesuve de Brekka)」。現在は中国で検疫を受けているため、マクロン氏は8日に北京で習氏と会談した際、馬の写真を用意した。

 仏大統領府によると、習氏は2014年にパリを訪問した際に騎馬隊に「魅了」されたという。

 だがフランス国内では、寄贈品に馬を選択したことについて議論が生じている。

 政治における馬の役割に関する著書を2009年に出版した歴史家のジャンルイ・グーロー(Jean-Louis Gouraud)氏はAFPに対し、マクロン氏が馬を寄贈品に選んだことは不可解で、誤解を招く恐れがあると述べた。

 グーロー氏によると、馬の寄贈は外交においては伝統的なものだが、過去に中国の皇帝に献上された馬には訪問者にとって「防衛」の意味が含まれており、マクロン氏が馬を寄贈したことは自身の立場を弱く見せる可能性があるという。

 また贈られた馬が種馬ではなく去勢された馬であることについても、「アラブ諸国では相手に対する侮辱とみられる」とグーロー氏は指摘し、「屈辱や無礼と捉えられないことを願う」と述べた。

 さらに注目すべきは、「マクロン」という名前を標準中国語で発音すると、「馬が竜を征服する」の意味になることだ。(c)AFP