スコットランドで炭酸飲料の買いだめ現象、砂糖税で製法改定
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【1月5日 AFP】英スコットランドで、ある炭酸飲料の買いだめが起きている。スコットランド人の「国民的飲料」といわれるソフトドリンク「アイアンブルー(Irn Bru)」だ。砂糖含有量を減らした新製法が今月下旬から導入されるのを前に、伝統的な製法で作られた在庫製品に人々が殺到しているのだ。
「われらがアイアンブルーに手を出すな(Hands Off Our Irn Bru)」──西部の港町エアー(Ayr) 在住のライアン・アレン(Ryan Allen)さんが昨年12月に立ち上げたレシピ改定中止を求める請願には、4日までに1万2000人が署名した。
アレンさんは「非常事態に備え、自宅の屋根裏部屋に瓶入りアイアンブルーを24本確保してある」とBBCの取材に語った。
アイアンブルーの「秘伝レシピ」は1901年、スコットランドの清涼飲料大手AGバー(AG Barr)が開発した。しかし、消費者の好みが変わったことに加え、英政府が飲料に含まれる過剰な糖分に対する課税(砂糖税)を今年4月から導入するのを受け、レシピ改定を余儀なくされた。
缶入りアイアンブルーの場合、1缶にはこれまで小さじ8.5杯分の砂糖が含まれていたが、新レシピでは4杯分に。熱量も140カロリーから約65カロリーに低減される。
ツイッター(Twitter)上には、「8缶パックが2ポンド(約300円)で売っている。今から買い占めに行く」「明日20ケース買うよ。新レシピになる前に…砂糖税なんか大嫌いだ」など、アレンさんと同様に買いだめに走る人々の投稿が相次いでいる。
AGバーの広報担当者は新レシピについて「従来通りの秘伝の味を維持しつつ、砂糖の量を減らすだけ」と説明。大半の愛飲者は低糖質志向だとした上で、「多くの愛飲者に味見をしてもらったが、新旧レシピの違いが分かった人はほとんどおらず、10人中9人からお墨付きを得た」と述べている。(c)AFP