【12月31日 AFP】インド下院で28日、イスラム教徒の夫が離婚を意味する言葉を妻に告げただけで離婚する「インスタント離婚」を犯罪行為とみなし、禁錮刑を科せるとした法案が可決された。この離婚の慣習については最高裁が数か月前、女性の権利侵害にあたるとして禁止するとの判断を下していた。

 インドのイスラム教徒の間では、夫が妻に向かって「おまえとは離婚だ」という意味のアラビア語「タラーク」と3回唱えれば離婚が成立する「トリプルタラーク」という慣習がある。だが今年8月、インド最高裁は「トリプルタラーク」を違憲とみなし、政府に対しこれを禁じる法律の制定を命じていた。

 これを受けて下院に提出された法案は「トリプルタラーク」による離婚を無効かつ違法とし、罰金および最高で3年の禁錮刑を科せるとしている。さらに子どもがいる場合は、男性側に対し、養育権を得る離婚した妻への経済的支援を義務付けている。

 法案は野党側の強い抵抗にあいながらも下院を通過。インドにおいて「トリプルタラーク」の違法化に向けた第一歩となる。(c)AFP