【1月9日 AFP】子どもたちが喜びに満ちた声で中国国歌を歌い、何百もの腕が敬礼をして真剣な顔が空高く掲げられた赤い国旗に向けられている。ここは上海にある武寧路(Wuning Road)小学校だ。

 武寧路小学校をはじめとした中国各地の小学校では、次世代を担う子どもたちに算数や英語だけではなく、お茶の入れ方やサッカー、倫理、ヒップホップダンスなどありとあらゆることを教えている。

 近年、上海の児童たちが世界共通テストの成績で各国を圧倒して以来、中国、特に上海の教育システムに対する西洋の関心が急激に高まってきている。

 以前、中国の教育は厳しい規律や生徒たちを服従させることで知られていた。しかし、8歳から12歳の子どもたちが通っている武寧路小学校の教員たちや、上海の他の優良な小学校の教員たちによると、成果を上げるには今までとは少し違った教育方法が必要だという。

 教員たちは子どもたちを怖がらせるようなことはせずに好きなことをさせ、表現力や創造力を後押しするような言葉をかける。男女34人の児童を受け持つ算数の女性教師は「基本的に叱ることはありません。励ますだけです」と話した。

 授業の終わりを告げる校内放送が流れると、席を立っておじきをした児童たちの「先生さようなら!」という元気な声が飛び交った。

 学校が終わると1300人の児童は日課の国旗掲揚を行う。子どもたちは運動場に規則正しく並び、中国国旗が空高く掲げられていく様子を見つめ、大きな声で国歌を歌う。

 それから軍楽隊のような楽隊の演奏に合わせて児童たちは体操を始める。誰もが一生懸命に体を動かし、手足の動きがばらつくことはほとんどない。

「まっすぐ並んで!左、右、左、右!」マイクを持った女性が大声をあげる。「前をよく見て!腕を振って!」