【12月30日 AFP】元ナチス・ドイツ(Nazi)親衛隊(SS)隊員で、殺人幇助(ほうじょ)罪で禁錮4年の判決を受けたオスカー・グレーニング(Oskar Groening)被告(96)について、ドイツの連邦憲法裁判所は29日、高齢を理由に収監への異議を申し立てていた被告の訴えを棄却したと発表した。

「アウシュビッツの簿記係(Bookkeeper of Auschwitz)」の異名を取る同被告は、第2次世界大戦(World War II)中にナチスの強制収容所で犠牲となった30万人の殺害を幇助したとして起訴され、2015年7月に禁錮4年の有罪判決を受けた。2016年に連邦通常裁判所が上訴を棄却すると、被告側は刑の執行猶予を請求したが、今年11月に上級地方裁判所が収監命令を出していた。


弁護団はこれに対し、高齢での収監は被告の「生きる権利」を侵害するとして、刑の執行を不服とする申し立てを行った。グレーニング被告は有罪判決を受けた後も自宅での生活を続けていた。

憲法裁は今回の判決で「被告の高齢はそれ自体で刑罰の執行を差し控える理由として十分ではない」と判断。さらに、30万人の殺害幇助の罪での有罪判決は「刑執行の重要性をいっそう増す」ものだと強調した。(c)AFP/Hui Min NEO