パンダとのコンコルド同乗「縁起が悪い」と拒否、故サッチャー英元首相
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【12月29日 AFP】故マーガレット・サッチャー(Margaret Thatcher)元英首相が、かつてロナルド・レーガン(Ronald Reagan)元米大統領との初首脳会談のため米首都ワシントンを訪れる際、政府専用機としてチャーターした超音速旅客機コンコルド(Concorde)にパンダを同乗させてほしいとの要請を断っていたことが29日に公開された英政府公文書で明らかになった。
発端は、レーガン氏が大統領に就任した1981年1月、米スミソニアン協会(Smithsonian Institution)が雄のパンダを貸し出してもらえないかと英ロンドン動物学会(Zoological Society of London)に依頼したことにある。ロンドン動物学会のソリ―・ザッカーマン(Solly Zuckerman)会長は、当時首相だったサッチャー氏の助けを借りて学会の知名度を上げようとした。
英国立公文書館(National Archives)が公開したロバート・アームストロング(Robert Armstrong)内閣官房長(当時)の報告によると、ザッカーマン氏はパンダ貸し出しが特別な友好のしるしになるとみて、英米両国にとって最良とサッチャー氏が考えるタイミングでパンダ貸し出しと輸送について発表したい意向を表明。「(サッチャー)首相が翌月訪米する際、コンコルドの後部にパンダを同乗させてはどうかと提案した」という。
しかし、「鉄の女(Iron Lady)」の異名で知られたサッチャー氏は、ロンドン動物園(London Zoo)が進めるパンダ交配の取り組みに自身が関与すべきだとの確信には至らなかった。「Z卿(ザッカーマン氏)は私よりもパンダのことを知っている──きっと手配もできるはずだ」とのサッチャー氏の手書きが残っている。
当時サッチャー氏の秘書官を務めていたクライブ・ウィトモア(Clive Whitmore)氏は、「彼女(サッチャー氏)は、パンダを連れて行くつもりはないと述べた。『パンダと政治家の組み合わせは縁起が悪い!』そうだ」とザッカーマン氏に返信した。(c)AFP