イタリアのトップシェフ、パリにホームレス向け食堂を計画
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【12月29日 AFP】世界一のレストランに昨年選出されたイタリアのレストラン「オステリア・フランチェスカーナ(Osteria Francescana)」の有名シェフ、マッシモ・ボットゥーラ(Massimo Bottura)氏が、フランス・パリでホームレスや恵まれない人たちに食事を提供するコミュニティー・キッチンを開設する準備を進めている。
フランスの旅行会社ボヤージュ・ドゥ・モンド(Voyageurs du Monde)のジャンフランソワ・リアル(Jean-Francois Rial)最高経営責任者(CEO)は28日、AFPの取材に「マドレーヌ寺院(Madeleine Church)の地階に食堂をつくる話が進行中です」と語った。また、「まだ企画の段階で何もできていませんが、協会との話し合いは順調です」と同寺院の既存レストランを管理する協会について言及した。
既存のレストラン、フォワイエ・ドゥ・ラ・マドレーヌ(Foyer de la Madeleine)は、過去40年以上にわたり、マドレーヌ寺院の円天井の地下で、平日、約9ユーロ(約1200円)で昼食を提供してきた。困窮している人は1ユーロ(約135円)の支払いで良い。
ボットゥーラ氏は、リアルCEOとフランス人アーティストJR(ジェイアール)氏とともに、食品廃棄物および社会的排除と闘う非営利団体「フード・フォー・ソウル(Food for Soul)」の下で、同プロジェクトを先導している。
このプロジェクトは2015年に伊ミラノで開催された国際博覧会に端を発する。博覧会でボットゥーラ氏は世界中から集まったシェフらとともに余った食材で料理をつくり、ホームレスや恵まれない人々に無料で提供した。それ以降、同団体はイタリアで多数の食堂を開き、最近では英ロンドンにも開設した。
パリの計画はうまくいけば、3月に食堂を開設し、毎晩70人から90人に食事が提供できるようになる。
イタリア北部モデナ(Modena)の中心地にあるオステリア・フランチェスカーナは、伝統的イタリア料理を再構成した創造的調理法で、昨年の「世界のレストラン・ベスト50(World's 50 Best Restaurants)」で1位に選ばれた。レストラン・ホテルの格付け本「ミシュランガイド(Michelin Guide)」でも三つ星を獲得している。(c)AFP