【12月29日 CNS】中国書画の巨匠、斉白石(Qi Baishi)の作品、『山水十二屏』が、北京(Beijing)市で行われたオークションで9億3150万元(約160億8299万円)という中国の美術品の中で世界最高額をつけた。

『山水十二屏』は、斉が1925年に北平(Beiping:現在の北京市)の名医と名高かった陳子林(Chen Zilin)氏に贈ったもので、斉氏の弟子だった郭秀儀(Guo Xiuyi)夫妻が50年代に譲り受け、約半世紀もの間大切に保管されていた。この作品が初めて公開されたのは中国美術家協会主催で54年4月に開催された「斉白石絵画展覧会」で、それから20回ほど公開されたという記録が残っている。

 この作品は12枚で一組とされ、それぞれが高さ180センチ、幅47センチある大きな作品。1枚ごとに『江上人家』『石岩双影』『板橋孤帆』といったタイトルがつけられており、斉氏の「詩」「書」「画」「印」が揃った完璧な作品。

 現存する斉氏の『山水十二条屏』は、今回落札された作品を含め二組とされる。もう一点は、32年に四川省(Sichuan)の軍人だった王纉緒(Wang Zuanxu)氏に贈られたもので、現在は重慶中国三峡博物館(Chongqing China Three Gorges Museum)に収蔵されている。(c)CNS/JCM/AFPBB News