【12月28日 AFP】割れても破断面を押し当てると自己修復するガラスを東京大学(University of Tokyo)の研究チームが開発した。車の窓や建材、水槽など身の回りの製品の寿命を大幅に延ばす超耐久性ガラスの開発に道を開く発見と期待されている。

 東京大学の柳沢佑(Yu Yanagisawa)学術支援専門職員は、ぬれた面に使える接着剤の研究の最中、偶然このガラスを開発した。

 柳沢氏はAFPの記者らを前に、研究室で実演を行った。ガラスのサンプルを2片に割り、その破断面を30秒ほど押し当てると、ガラスは修復され、元の形とほぼ見分けがつかなくなった。

 さらにその強度を示すため、ガラスの1片に水がほぼ満杯に入ったボトルをぶら下げたところ、ガラスは壊れることなく元の形を保った。

 この有機ガラスはポリエーテルチオ尿素と呼ばれる素材で、無機ガラスよりもむしろアクリルに近い。水素結合で破断面を結び付けようとするポリエーテルチオ尿素の性質が、自己修復の鍵となっている。

 これまでにもゴムやゲルなどでは同様の機能が開発されているが、自己修復するガラスを開発したのは今回が初めて。(c)AFP/Hiroshi HIYAMA