アメリカン航空が黒人バスケ選手に謝罪、窃盗のぬれぎぬ着せ降機させる
このニュースをシェア
【12月28日 AFP】米アメリカン航空(American Airlines)は27日、クリスマスイブの便でプロバスケットボール選手2人に窃盗の疑いをかけ飛行機から降機させたことについて、疑いが誤りだったことを認めて謝罪した。
疑いをかけられたのは、米ナショナルバスケットボール(NBA)の下部リーグのチーム、メンフィス・ハッスル(Memphis Hustle)に所属するマーキス・ティーグ(Marquis Teague)選手とトラーソン・バレル(Trahson Burrell)選手のアフリカ系米国人2人で、会社は両者に謝罪した。
2人は24日、サウスダコタ(South Dakota)州での試合のため、アメリカン航空の子会社エンヴォイ・エア(Envoy Air)が運航するテキサス州ダラス発の便に乗り込んだが、エコノミー席にもかかわらずファーストクラスで使用する毛布を持っていたことから乗務員は2人が毛布を盗んだと糾弾し、飛行機から追い出した。しかし実際には、2人はファーストクラスの乗客から毛布を譲り渡されただけだった。
アメリカン航空については、これまでにも乗客によって接し方を変えるとの批判が出ていたが、会社が問題に対応しようとしているさなか、26日にこうした出来事が発覚してしまった。アメリカン航空は2人に謝罪し、別便のファーストクラスの席を用意した。
会社は広報を通じた声明で「この度の便で起こったことを謝罪いたします。われわれは誇りを持ってみなさまをお運びしていますが、この度の便では、何人かのお客様に降機いただいたことを把握しています」と述べた。そしてこの出来事を見直し、2人に「連絡を取る」ことにしたと続けた。27日午前時点で、両選手の側からこの件に関するコメントはない。
アメリカン航空は10月、人権団体の全米黒人地位向上協会(NAACP)に「アフリカ系アメリカ人の乗客から、不愉快な思いをさせられたとの報告が継続的に寄せられている」と指摘され、団体と話し合いを行った結果、12万人の従業員を対象に新たな研修の実施などの改革を行う必要があると発表したばかりだった。(c)AFP