【12月30日 AFP】トランプ米大統領の就任から空前の規模のハリケーンまで、2017年の主要ニュースを振り返る。

■トランプ氏の1年

 大富豪のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は1月20日、第45代米大統領に就任し、「米国第一」に基づいた政策を展開すると誓った。しかし就任当初から、ロシアによる選挙戦への介入疑惑という影がつきまとった。

 トランプ氏は前任者であるバラク・オバマ(Barack Obama)氏の業績を否定。米国は気候変動、自由貿易、移民問題、国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)など、複数の国際的な枠組みから離脱した。

 また12月6日、歴代政権の方針を覆してエルサレムをイスラエルの首都と認定し、世界に衝撃を与えた。

■英国のEU離脱交渉

 欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)の是非を問う国民投票で離脱派が勝利を収めてから9か月を経て、英政府は3月29日、EUからの離脱手続きを開始した。

 英国では6月8日、テリーザ・メイ(Theresa May)首相が議会の安定多数を目指し決断した解散総選挙が実施された。しかしメイ首相率いる保守党はこの選挙で過半数を割り込み、敗北を被った。

 数か月にわたる交渉の後、EUと英国は12月8日、離脱条件で合意に達し、将来の関係についての協議に道筋をつけた。

■フランスの政治的大変動

 5月7日、フランス大統領選の決選投票において、親EU派で中道系のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)氏が、極右候補のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)氏を大差で破った。

 マクロン氏の政治運動「前進(En Marche)」は、同国の2大政党を初めてエリゼ宮(Elysee Palace、仏大統領府)から退場させた。

■沸点に達した中東

 6月5日、サウジアラビアとその同盟国がカタールと断交した。

 中東におけるここ数年で最大の外交危機の中で、サウジとその同盟国はカタールが「テロリスト」を支援し、サウジの宿敵であるイランに接近し過ぎていると非難した。

 11月4日、レバノンのサード・ハリリ(Saad Hariri)首相はサウジアラビアで、イランによるレバノンの「掌握」に言及して辞意を表明。だが後にハリリ首相は帰国した。

 一方でイエメンにおいてもサウジアラビアは、イスラム教シーア派(Shiite)反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」について、レバノンのシーア派原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)やイランから支援を受けていると非難している。