【12月26日 AFP】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は、「英雄や殉難者の侮辱や誹謗(ひぼう)」に及んだ者を処罰する法案審議を進めている。全人代の常務委員会が22日に発表した報告書で明らかになった。

 同委は公式ウェブサイトで、「英雄的な殉難者の精神や愛国心の高揚」を目的とした「英雄烈士保護法」の法案を審議していると発表した。

 習近平(Xi Jinping)氏は2012年に国家主席に就任して以降、中国共産党の正統性の強化運動の一環で、国内の教育のあらゆる側面に「愛国精神」を浸透させる取り組みに注力してきている。

 国営新華社(Xinhua)通信の報道によると、この新法は公安当局やインターネット事業者に、偉人や殉難者の名声や名誉の保護責任を課すもので、この義務に反しかねない情報には速やかに対処しなければならないと規定している。

 同法案をめぐっては、今年3月の全人代でも関連法が審議された。ただ前回は民事責任が焦点となっていたのに対し、今回は刑事責任にも言及している。

 新華社は、同法案には「記念物を占有、破壞、汚損した者、および英雄や殉難者を侮辱、誹謗した者は、公安当局による行政罰、または刑事罰が科される可能性」が記載されており、偉人や殉難者にまつわる土地や施設の「違法な専有」も禁止されるとしている。(c)AFP