【12月26日 AFP】パキスタン当局はスパイ行為で死刑が確定したインド人死刑囚に対し、家族と面会することを逮捕後初めて許可した。当局が死刑囚の家族との面会を認めるのは稀で、面会は25日、首都イスラマバードで厳しい監視の下で行われた。

 クルブシャン・スディール・ジャドハブ(Kulbushan Sudhir Jadhav)死刑囚は昨年、パキスタン南西部のバルチスタン(Balochistan)州で逮捕された。

 ブルーのジャケットを着用したジャドハブ死刑囚は、外務省内で妻と母親と対面。同省が公開した写真によれば、面会はガラス越しに行われた。

 公開された写真は画質が低いためジャドハブ死刑囚の健康状態を確認するのは難しいが、姿勢よく座る姿は健康そうに見える。

 面会前に当局が公開した映像では、ジャドハブ死刑囚はパキスタン当局の「寛大な計らい」に感謝していると述べているが、撮影が強要されたものかは不明。

 外務省報道官によると、40分ほどの面会にはインドの外交官も立ち合ったが、ジャドハブ死刑囚に話し掛けたり家族との会話を聞いたりすることは許されなかった。

 パキスタン当局は、ジャドハブ死刑囚がインドの諜報(ちょうほう)機関のスパイであることを自白したとしている。パキスタン外務省報道官は25日、メディアに対し同死刑囚を「パキスタンのインド人テロリスト」と表現した。

 一方のインド当局は、ジャドハブ死刑囚はスパイではなく、パキスタンに拉致されたと主張している。インド政府はまた、パキスタン政府がインド領事館の介入を拒否していることはウィーン条約(Vienna Convention)に違反していると非難している。(c)AFP