【12月26日 AFP】強硬な麻薬対策を進めるフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領の長男、パオロ・ドゥテルテ(Paolo Duterte)ダバオ(Davao)副市長(42)が25日、辞任した。麻薬密売人との関係をめぐる疑惑や、10代の娘とソーシャルメディア上で起こしたいさかいの責任を取ったとしている。

 パオロ氏をめぐっては今年、ドゥテルテ大統領の義理の息子に当たるマナセス・カルピオ(Manases Carpio)氏と共に、報酬と引き換えに中国から64億ペソ(約145億円)相当の結晶メタンフェタミンの密輸を手助けした疑いが浮上。パオロ氏は9月、上院の公聴会で疑惑を否定していた。

 さらに先週には、ソーシャルメディア上でパオロ氏を批判した娘のイサベル(Isabelle Duterte)さんを、ダバオ副市長専用の公式フェイスブック(Facebook)ページで口汚くののしった。この大っぴらな親子げんかはニュースにもなった。

 パオロ氏は、イザベルさんは「ばつの悪い思いをしている」とフェイスブックに投稿。具体的に何を指しているのかは不明だが、イザベルさんは今月、デザイナードレスを着て大統領府でポーズを取る写真がソーシャルメディアで拡散していた。

 パオロ氏は、ドゥテルテ氏が大統領就任前に市長を務めていたダバオの市議会で、家庭内の問題や麻薬密売疑惑など「私の人生に最近起きた不幸な出来事」の責任を取り、副市長を辞任するに至ったと説明した。

 ドゥテルテ大統領の報道官は25日、パオロ氏の辞任が受理されたことを認める一方、それ以上のコメントは避けた。大統領の娘であるサラ・ドゥテルテ(Sara Duterte)ダバオ市長は受理の事実は知らなかったと述べている。

 ドゥテルテ一族は20年余りにわたってダバオの政界を牛耳っている。(c)AFP